japan-architects.com

27 9月, 2012

山縣洋建築設計による集合住宅「BALCONE」

山縣洋建築設計事務所 (Yo Yamagata Architectsによる集合住宅「BALCONE」(プロジェクト名=MG)の見学に行ってきました。小田急相模原駅から8分ほどの場所。

 敷地面積357m2、建築面積185m2、延床面積610m2。RC造、地下1階、地上3階建て。13戸からなる。

敷地の南側には立派な緑地が。

 この緑地は私有地ながら管理を市に委託し一般に公開されている。杉、桧、松などの常緑樹と、ムクやカエデなどの落葉樹が混在する雑木林で、きれいに整備されている。

 住戸は全てこの緑地に面しており、緑地を眺めるためにあるようなアパートだ。

 外壁の一部はジョリパットの吹きつけが施されているが、異なる色で二度吹きされて質感を出している。

 エントランス。アパートの名前「BALCONE」はバルコニーの意。"緑地を眺めながら生活できる観覧席のような集合住宅"ということから付けたそうだ。

 エントランス周りの壁は、浮造り(うづくり)仕上げした杉板を型枠に。

 1階の住戸は、地階もあるメゾネット。床は全室クリ材。

 施主でもあり施工者でもある中島建設は、高品質のコンクリートとその施工に取り組んでおり、この建物ではスランプ12cmという水分の少ない硬いコンクリートが使われている。(通常はスランプ18〜21cm)

 スランプ値の少ないコンクリートを打設するにはきめ細かい配慮が必要だそうで、結果写真のように黒っぽくツヤのある石造りのように重厚な仕上がりになる。

木漏れ日がグレーチング越しに落ち、ゆらゆら揺れる水面の反射のようで美しい。


 1階にはトップライトを備えるタイプの住戸もある。 

 2階の住戸は2スパン(8m)を使った横に広いタイプ。天井高は3mある。 

 引き戸で仕切れば奥は寝室になる。

 2階から。緑地は幅50m、奥行き60mもあるため、その先の建物などはほとんど見えず木々だけを見ることができる。

 3階の住戸は玄関を入ると5段上がるスキップフロア。左の階段下はトイレで、右側は洗面室と浴室。

 玄関の上はロフト。右の部屋が寝室で、奥はウォークインクローゼット。


 この部屋の家賃が一番高く約12万円。他も8〜9万円台が中心だそうだが、この作り込みでかなり安く感じる。 

 ロフトからも緑が望める。

 右木部の上面に見えるガラスは浴室への明かり採り。

 浴室からはこのように。 


山縣洋さん。「郊外では家賃はあまり高く設定できない、そのためこれらの地域では出来るだけコストを下げた賃貸住宅が作られる傾向にあります。しかし幸運にも施主は高品位で付加価値のある賃貸住宅を望まれたので、この恵まれた立地で長期に渡って価値を維持できるような設計をすることができました。」

========== japan-architects.com ===========
日本の建築家・インテリアデザイナー・ランドスケープアーキテクトと世界をリンク
ジャパンアーキテクツメンバーのプロフィール >>japan-architects.com

建築・デザインのイベント情報 >>What's happening
ジャパンアーキテクツへのお問い合せ >>事務局へメール

22 9月, 2012

納谷建築設計による集合住宅「Gotencho Apartment」

納谷建築設計事務所 (Manabu + Arata / NAYA Architects) +三菱地所ホームによる集合住宅「Gotencho Apartment」のオープンハウスに行ってきました。川崎市の新丸子駅、武蔵小杉駅から10数分の場所。

 敷地面積1154m2、建築面積560m2、延床面積1022m2。前面南側は計画道路のため更地になっている。

敷地には4棟の建物にそれぞれ8戸、合計32戸からなる長屋。 構造は木造2×4。

 メゾネットのようにも見えるが、二階へは間の階段を使う。 

 敷地の中央には共有の中庭が配され、ちょっとした街のよう。


 1階の部屋には土間が設けられている。 

 土間からは専用のポーチへ連続しているため使い方は広がる。

 住人同士でこのような光景が見られるのでしょうか。

 部屋のレイアウトは3種類あり、それらが組み合わさり4つの棟を形成している。

 2階の部屋から。ファサードは3色のガルバリウム鋼板を使いリズムと奥行きを与えている。

 敷地の北側にはお寺の緑が茂っているため隙間の雰囲気がとても良い。


 逆に隙間からは "街並み" が様々に切り取られる。




納谷学さん(右)、新さん(左)。「計画道路によって生まれた変形敷地です。大きなアパートを建てることも検討しましたが、駅から少し遠いので差別化を図るためにも雰囲気作りや構成に重点をおきました。また以前も長屋が建っていたので地域にもあまり違和感のないように再生しました。」


========== japan-architects.com ===========
日本の建築家・インテリアデザイナー・ランドスケープアーキテクトと世界をリンク
ジャパンアーキテクツメンバーのプロフィール >>japan-architects.com

建築・デザインのイベント情報 >>What's happening
ジャパンアーキテクツへのお問い合せ >>事務局へメール

09 9月, 2012

nendoによるスターバックス初のポップアップストア「Starbucks Espresso Journey」

佐藤オオキ / nendo(Oki Sato / nendo)が空間プロデュースを手掛けたスターバックス初の期間限定ストア「Starbucks Espresso Journey」がオープン。

 場所は表参道メインストリートからほど近い場所に位置するイベントスペースBA-TSU ART GALLERY。

 エスプレッソドリンクに限定するという特殊なコンセプトに対し佐藤さんは、これまでのスターバックスの店舗と全く異なる空間体験、ドリンクとの接し方、と購入への流れを作り、五感を通じてスターバックスのエスプレッソドリンクの魅力を再認識できる空間を提案した。

 本棚にぐるりと囲まれた空間は、書斎や図書館の雰囲気。9色に塗り分けられた9種類のエスプレッソドリンクの本がある。(薄い色:カプチーノ~濃い色:カフェモカというように)

 本棚の柔らかいカーブは、エスプレッソドリンクのミルクのまろやかさ、口当たりの良さなどを表現。通常のスターバックスの店舗の動線とは異なりカーブに沿ってうろうろとしてもらえるような仕掛け。

 一冊手に取ってみると。

 各ブックカバーにはドリンクに関する簡単なストーリーが記されており、見比べながらその日の気分に合うドリンクを選ぶことができる。

 選んだ本をカウンターに持って行きオーダー。ブックカバーはお土産としてもらえるので文庫本などのカバーとして使用したり、タンブラーの台紙としても使うことができる。


 2階はエスプレッソドリンクを体験する空間。


 2階から見下ろす。びっしり収まる本は14,000冊。期間限定とは思えない本格的な作り(なんと2日間で完成!)

佐藤オオキさん(中央)。「本とエスプレッソドリンクは私たちの日常生活において似ている部分があるのではないのかなと思いました。ほっとする存在だったり、大袈裟にいうと小宇宙のような自分の周りを取り巻く小さな空間を作ってくれる居心地の良い存在・パートナーという風に考えた場合、実は親和性は高いのではないかというところから着想を得ました。自分の大事な一冊の本に出会うような感覚で一杯のエスプレッソドリンクに出会っていただけたら嬉しいです。」

Starbucks Espresso Journey】
場所:東京都渋谷区神宮前5-11-5
期間:9月9日~9月30日

========== japan-architects.com ===========
日本の建築家・インテリアデザイナー・ランドスケープアーキテクトと世界をリンク
ジャパンアーキテクツメンバーのプロフィール >>japan-architects.com

建築・デザインのイベント情報 >>What's happening
ジャパンアーキテクツへのお問い合せ >>事務局へメール