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24 7月, 2012

納谷建築設計による住居+オフィス「新丸子project」

納谷建築設計事務所 (Manabu + Arata / NAYA Architectsによる住居+賃貸オフィス「新丸子プロジェクト」のオープンハウスに行ってきました。場所は川崎市中原区。

敷地面積57m2、建築面積46m2、延床面積242m2。地上6階建+ペントハウス。3階までがRC造で、4階より上はS造の住居。
構造の違いを外観意匠にも表している。

1階はガレージとその奥に住居への入り口。賃貸オフィスは通りに面した左側の入り口から。

賃貸オフィスへの入り口。

2階、3階共同じレイアウトで面積は43m2。窓はハイサイドに設け、外部からの視線と大通りの騒音に配慮しながら排煙窓も兼ねている。

次に住居部分へ。住宅用エレベータで1階から一気に4階まで上がり玄関へ。

玄関ホールは5階までの吹き抜けに。

視線を下ろすと正面は客間。右は収納と、上階への階段室。

客間へは一度中庭をまたいで入る。右には来客用のシャワー+洗面室。

客間は(正方形ではないが)琉球畳を敷いた和室。 畳表のザラザラが素足に気持ちいいとか。

洗面室。

5階以上へは階段で。

5階リビング・ダイニング。正面には120インチのプロジェクタースクリーン。
床は浮造 (うづくり) 仕上げのパイン材、浮き出てた木目がこちらも素足で歩くと気持ちいいということで施主の指定。


4階以上はS造ですが、以前手掛けた「恵比寿の住宅」で活躍した軽量溝型鋼を使用。(構造=Structured Environment

スクリーンのある側は6階まで約5mの吹き抜け。壁は吸音のため毛足が長めのカーペットが貼ってある。


キッチンの背後は作業室。手摺の下は玄関ホール。

6階は水回りと寝室。

寝室。和紙を太鼓張りした折り戸を開けると5階からの吹き抜けに通ずる。

寝室の片側にはウォークインクローゼット。

ペントハウス。近隣に高層マンションがあるため壁に備えたバーにタープを張り、寛げるようにするそうです。

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16 7月, 2012

西久保毅人/ニコ設計室による「三輪さんの家」

西久保毅人さん (Taketo Nshikubo / Niko Design Studio) による東京杉並区に竣工した「三輪さんの家」のオープンハウスに行ってきました。


敷地面積109m2、建築面積54m2、延床面積124m2。木造地上2階、RC造地下1階。4人家族の住まい。
右側に4件並んだ一番奥、突きあたりのような旗竿敷地。

1.4m、7段上がって玄関。下は縁の下のように抜けている。

玄関を入ると正面はリビングへ、右は納戸へ。

納戸はそのまま連続し、さらにキッチンへ繋がっている。

リビングへ入ると正面には借景の生産緑地。

1段上がった畳敷きのダイニングスペース。

キッチン側から。

キッチンは先ほどの玄関、納戸から同じレベルで連続している。つまり土間と台所と言える。

さすがにかまどはないが、ダイニングは囲炉裏を囲むような趣。畳の下は収納にボックスになっており、手前の4つは可動できる。

放射状の梁は構造ではないそうで、大きな木の下に皆が集まるような雰囲気を演出。


この日は非常に暑かったが、緑地を抜けて幾分冷やされた風が吹き込んできた。

1階を持ち上げたのは、地面から立ち上がっては緑地の影で部屋が薄暗くなってしまうため。当然持ち上げたことで良好な視界をリビングにもたらしている。

地下は主寝室圏AVルーム。壁の裏側は書斎に。

書斎。ハイサイドの窓は2つ前の写真の階段裏に見える。 

2階へ。

階段を上がって右側に水回り。


浴室のトップライトは上棟後に「やはり開けたい!」と施主の要望で急遽設計変更。開けて正解ですね。

2階の1/4程はテラス。屋上への階段もここから。 

子供室は二つ。将来右の壁を取り外し大きな部屋にする事も可能。

廊下にあるクローゼットにスライドレールを使った姿見を発見。
紫の壁はトイレ。1階のトイレは緑、納戸はオレンジ。居室でないところに差し色を使って遊び心を。


「建て替えであったこの家はとにかくこの緑地に対して開いて設計しました。またいつも心掛けていますが家が町の風景の続きになるように配慮しています。突きあたりのこの敷地の場合、地面から浮かせることで下に空間が生まれ、その奥にある緑地に繋がるようになっています。 」と西久保毅人さん。

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12 7月, 2012

「スタジオ・ムンバイ展 PRAXIS」レポート

7月12日よりTOTOギャラリー・間で開催される「スタジオ・ムンバイ展 PRAXIS / Studio Mumbai: Praxis」に行ってきました。

 インドを代表する建築家、ビジョイ・ジェイン (Bijoy Jain) 率いるスタジオ・ムンバイ (Studio Mumbai) による日本初の個展。
スタジオ・ムンバイは敷地の造成から設計、施工までを住み込みで働く職人達120人と一緒に行う独特のスタイル。


 今回の展示はスタジオ・ムンバイの中にギャラ間を実物大で再現し、3ヶ月かけ展示空間を作り上げその空間をそっくりそのままインドから空輸。展示物は壁面のベニヤも含め99%は現地から運んだとか。全てインドの物を見て欲しいというジェインさんのこだわり。

 会場に入るとその物量に圧倒されますが、それはスタジオ・ムンバイそのものであり、作品の紹介にとどまらず制作プロセス、検討途中の物、さらにインドの文化や生活、物、素材などインドそのものを見て・聞いて・触れる展示になっている。

 棚に置いてあるのは、正体はわからないが面白いもの、消えてしまった建物のタイル、モデル、プロセス、サンプルなどなど。


7点展示された主要作品の模型はブロンズ製。そのひとつ "Tara House" ターラ邸 / 2005。

"Palmyra House" パルミラ邸 / 2007。

 パルミラ邸

 ミニチュアのブロックを実際に積み上げて作られた模型も。

 屋外展示はWork in Progressのフラグメント。漆喰の壁、パルミラ邸のモックアップ、カラーコンクリートのサンプルなど。林立する柱はスタジオの屋外作業スペースを再現。↓


 上階の展示室も同様にインド物産展さながらの様相。ひとつひとつ見ていっても飽きることがない。


 インドの人々の様子も。数億人が水道のない生活をしている現実もある。

 ジェインさんがぜひ見て欲しいというドローイングは、職人からのアイディアで合板の上にマスキングテープを貼りその上に描いてある。インク代コストを抑えつつしっかりと使えるもの。職人達のこういったアイデアや、素材への意識、身体的感覚は独特なので、良いものはどんどん取り入れていくそうです。


"Leti 360 Resort" レティ360リゾート / 2007。
職人の道具も展示されている。

チャイナタワーというプロジェクト、

その模型は石、石膏、木、蝋、何か分からない物などあらゆる素材で無数に制作されいた。

"Copper House II" コッパーハウスII / 2011

 映像用の台も"自家製"。

 いたるところに展示されている赤いスケッチブックは、建築家と職人を結ぶコミュニケーション手段として全ての職人が持ち実際に使っているもの。手にとって閲覧可能。

 ビジョイ・ジェインさん。「断片的な様々な要素などを総合的に体感していただける空間になっています。この展示を通じて私たちのスタジオがどういうものなのかを実際に感じてもらえればと思います。順序もありませんので自由に椅子に腰を下ろしたり資料をじっくり読んだり公園の中を散歩しているようにご覧ください」

スタジオ・ムンバイ日本初の作品集「Studio Mumbai : Praxis」TOTO出版より発売。

【スタジオ・ムンバイ展 PRAXIS】
日時:2012.7.12〜9.22
場所:TOTOギャラリー・間
詳細:www.toto.co.jp/gallerma/ex120712/index.htm



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