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22 9月, 2011

廣部剛司による「逗子のスタジオハウス」

廣部剛司さん(廣部剛司建築研究所/Takeshi Hirobe Architects)による「逗子のスタジオハウス」のオープンハウスに行ってきました。


敷地面積100m2、建築面積47m2、延床面積93m2。木造2階建て。施主はプロのギタリスト、そのため仕事場であるスタジオを備えた住宅です。

1年半前、工務店による設計も終了し確認申請まで取れていながらどうしても納得がいかず、全てひっくり返して廣部さんに設計を依頼されたそうです。

玄関から。すぐにスタジオが見えます。

スタジオは予算的に地下に造ることはできなかったので、防音された箱を家の中に入れるようなかたちで遮音性を高めるようになっています。さらにその防音された箱は防振ゴムで主要部分と絶縁し、振動が伝わるのを防いでいます。

廊下を挟んで洗面室と浴室、奥は寝室。


水廻りを使わない時は、庭に見立てて広がりを持たせています。

寝室。壁は珪藻土吹き付け、床はウォールナット材。

左の壁側がスタジオになります。

2階へ。
緩やかな階段だなと感じましたが、(足の短い)愛犬コーギーが昇り降り出来るように配慮されているそうです。

2階LDK。先ず目を引くのは表しの梁。

実は1階のスタジオによってかなりの壁量が取れたため、2階には外周部以外に耐力壁が必要なくなりこのような空間が可能に。

リビングをできるだけ広く取れるようキッチンのレイアウトには苦心されたそうですが、動線を兼ねることで決着。キッチンの後ろは予備室で将来の子供部屋。

子供部屋から。

柱がないので梁は壁を外に押し広げようとする力を生みます。そのため見えない部分で鉢巻き状の金属で締め付け、広がりを押さえています。

南を向いた窓の正面には特等席がありました。部屋の周囲の窓は廣部さんこだわりの外付けサッシュですっきり。

お隣のこの畑がいつまでもあるといいですね。

「梁は天井の中心に向かって求心性のある強い存在にしました。それを邪魔しないよう周囲からの光は分散した小さめの窓から控えめに、それでいてトップライトからは一日の時間の経過と共に、差し込む光が動いて見えるように演出しました。 」と廣部剛司さん。

ちなみに最近、廣部さんの"シェルハウス"が「第4回 木質建築空間デザインコンテスト」で最優秀賞を受賞しました。





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